限界ワンオペ育児中、俺たちを救ってくれる飲食店5選

妻が土日に基本休みをとれない商売をしているため、大半は自分が2歳児の面倒を見ている。この生活を続けて1年半以上が経つが、つくづく育児は孤独だ。我が子は明らかに母の方を愛しているので、俺といる日を不満に思いながら仕方なく過ごしているし、近所に一緒になって面倒を見たり相談してくれるような友人もいないので、心許ない日々を過ごしている。

特に憂鬱なのが外出時だ。イヤイヤ全盛期のため、あっちいきたいこっちいきたいと指示してくるのに、いざ目的地に着くと、ちがういやだあっちにいきたかったのに、とこっちを責め立ててくる。バタバタと移動していくうちに結局どこにも辿り着けぬまま、本人は肩に乗っかってスヤスヤと寝息を立てる。そんなことの繰り返しである。

そんなとき、近場に子どもの入れそうな飲食店が無いと絶望的な気持ちになる。この立場になって感じることだが、基本的に都内とその近郊の飲食店は子供をあまり歓迎していない。子ども用のメニューや椅子の用意がないのはもちろんのこと、そもそもベビーカーの入る余裕のない店内であったりだとか、店員の対応が粗雑であったりだとか、回転率を上げるために効率化された設計の店には、まずもっていられない。そういう店ばかりの並ぶ街からは自然と足が遠のき、大型商業施設のある都市郊外へと向かうことが増える。こうやって自分はゾーニングの対象になっているのだなと感じる(そんな1人暮らしを対象にした街設計で少子化なんて対策できるのか?)。

ともあれ、自分がさまざまな失敗を重ねながら、砂漠の中のオアシスのように俺を助けてくれた店について、感謝しながら紹介したい。ありがとう、あなた方のおかげで、一組の親子が救われている。

スープストックトーキョー(100本のスプーンも含む)

俺は目的地の近くにスープストックトーキョーの文字が見えるだけで、心底「助かった!」と思うし、実際その場で口に出している。以前SNSでどこぞの誰かが女性しか入れない店であるとか親子で入るな云々で口うるさいことを言っていた覚えがあるが、そう言った声に毅然とした態度をとってくれたことから、そもそもこの店への好感度は高かった。

離乳食やキッズセットが用意されている店舗が非常に多く、さらに嬉しいことに野菜の含まれていて塩分も低めのものが多い。チェーン店の子どもメニューは総じて野菜が少なく、カチカチの唐揚げなどの食べづらいものが多いところが多いため、いつも頭を悩ませていたのだ。特に子ども用カレーがうまい。息子はカレーであればパクパク食べるため、食事中の世話が減り、ホッとできる。ちなみに離乳食用のレシピ本も出していたり、お持ち帰り用のメニューもあったりして、家庭での料理重視の家族の方にもしっかり目が向いている。店員の対応もかなり配慮が行き届いている。座りやすい席に移動させてもらったり、席まで配膳してもらったりしたこともあった。それとネットで言われてるような男性への厳しい視線というものも感じたことはない。これは自分が鈍感だからかもしれないが、多少子供が騒いでしまっても、気にしないでいてくれている。

また同じ系列店のレストラン「100本のスプーン」は、やや高級店ではあるが、ここも育児家庭の救いの場所である。離乳食やキッズメニューのどれもが美味い。店によっては離乳食無料のところもある。またスープストックよりも店が圧倒的に広く、全体的にもゆったりした雰囲気となっており、キッズ用スペースのある店舗もある。我が子は一歳の誕生日をこの店で迎えたが、食べられる果物をバスケットに詰めたセットを提供してくれて、それがとても心に残っている。感謝したい。

ダッキーダック

もしデパートやショッピングモールで、この名前を見つけたら、まず安心していい。この店にいれば俺たちは安全だ。椿屋珈琲系列の飲食店で、オムライスやパスタ、ケーキを中心にした軽食屋で、もちろんキッズメニューがある。しかもパスタ、オムライス、グラタンの3種を選べて、大体700〜800円程度。小さいおもちゃもオマケしてくれる。卵アレルギーなどが無ければ、無難なオムライスを食べさせておけば、ひとまずは大丈夫。味がしつこくなく、万が一子供が残しても(男の)大人が食べ切れるボリュームだ。

しかし、真の目玉はそこではない。もう一品、野菜のフリットを足すべきだ。このフリットは多少塩分と油分、それと温度を気にしなくてはならないものの、野菜嫌いな子どもはガツガツ食べる。あんなに選り好みする我が子が、中身に何が入っていようとフリットなら食べた。その奇跡を今でも忘れられない。また、椿屋系列なので、コーヒーがうまいのが父にとっては嬉しい。レモネードなどのノンアルドリンクも充実しているので、育児中のリラックスにもなるはず。買い物中の憩いの場として活用をおすすめしたい。

コメダ珈琲店

もし車の運転が日々必要な方であるなら、コメダ珈琲店は外せない選択肢だ。まず店舗が広く、テーブル席の幅にも余裕があるので、親子で入って窮屈なことにならない。よくコメダはご飯のボリュームが話題になることが多いが、コメダトーストやサンドイッチなど、揚げ物系以外のものを子供とシェアすれば割と何とかなる(ならなくてもお持ち帰りできる)。あんこやソフトクリームなど、デザート系で子どものテンションを上げさせても良いだろう。おすすめはダルマグラスに入ったミックスジュース、もしくはミルク。これは結構ゴクゴク飲んでくれた。

多少ご飯に時間がかかっても問題ない空気感が店舗にあるのも嬉しい。また、自分は使ったことがないが、特定の地域では子育て支援パスポート提出で無料プレゼントもあるそうだ。そもそも店の中に子供が多く、店内の雰囲気もどことなく緩い。都心部によくあるお洒落だけどピリッとした空気の珈琲店よりも居心地が良いのは間違いない。もしコメダ珈琲店が近隣になければ、星乃珈琲店もおすすめ。また、タリーズや猿田彦珈琲店も住む場所によっては選択肢に入ってくるだろう。どこの喫茶店でも基本的はオアシスには違いない。

スシロー

回転寿司店は子どもに優しいところが多い。特にスシローはトイレにはおむつ替えできるシートがある店が多く、子ども椅子、子ども皿など、必要なものは最低限揃っている。また、卵寿司やハンバーグ寿司、うどん、いなり寿司など、魚を食べ慣れてない子ども向けのメニューも充実している。皿を散らかしたり醤油に手をつけたりといったトラブルはおきがちだが、ある程度ラフに過ごせる場所でもある。

また回転寿司のエンターテイメント性こそ、親にとって最も嬉しいところである。次々と走り抜けていくマグロ皿に目が吸い込まれているうちに、口の中にシャリを放り込んでいける。基本的にレーンに気を取られているので、いつもよりワガママが少ないのも有り難い。ただし、店舗と時間帯によってはかなり並ぶので、そうフラッと入れないのが難点である。

“畳”のある店(古民家を含む)

本当はおすすめしたい店があるが、あまりに詳しく書いてしまうとプライベートな情報が色々とバレてしまうので、フワッとした書き方になるのをご容赦いただきたい。ただ、(公共文化財的な施設を除いて)畳のある店で、子どもに優しくなかったところは経験上ほとんど無い。畳の空間は子供が歩き回ったりゴロゴロしたりするのをある程度許容してくれるし、和卓はそもそも高さが低いので、子供でも座ったまま手を伸ばしてご飯を食べられる。また、この手の店は健康志向なメニューが多めなため、子どもに食べさせやすい品が揃っている。さらに古民家カフェのようなところでは縁側から庭に出て遊び回ることを許してくれる店もある。以前、息子と訪れた際には、4歳ぐらいの女の子がしきりにこちらに話しかけ、採れたドングリを見せてくれた。こういった緩くて温かい繋がりを生んでくれるのも、この手の店の良いところだ。しかし残念ながら、この手の店は人気になるとたちまち入れなくなったり、改修されて元の雰囲気が無くなったりしてしまう。こういう空間こそ、次の世代のためにも残して欲しいと思うのだが……。

男親の疎外

子ども向けの飲食店を検索すると、まずおすすめされるのが「親子カフェ」なのだが、正直に言えば入りづらい。自意識過剰なのは承知の上だが、親子カフェ系のデザインが「ママ」を想定したファンシー感強めの店が多く、また来るお客さんも女性の方が圧倒的に多数のため、男親は、かなり浮く。そうも言ってられないときは行くこともあるのだが、やはり「変に思われていないだろうか」とソワソワしてしまう。そもそも休日に育児ワンオペする男親が少ないのだから、店側もそうなるよなとは思いつつも、この疎外感には今でも慣れない。「慣れろよ!」と言われたらそれまでなので、これ以上は強く言えない。

また、これは本筋とは関係ないが「おむつ替えシート」を女性トイレにだけ設置するのは、マジでやめてくれ。男トイレにも絶対つけてくれ。急いで変えたくても女性トイレを使うのは流石に無理だ。最近増えてきつつはあるけど、それでも古めの店に行くと全然ないことがある。こう言うところから、変わっていって欲しい。

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